GriStar Series グライスター シリーズ プロのための自動工具研削盤

ドリルの基礎知識(1)ドリルとは

公開日:2021/03/14  更新日:2021/03/14

この投稿をご覧になっておられる方は、ドリルについての基礎知識はお持ちであろうとは思いますが、再確認の意味も込めてご覧になっていただければ幸いです。

製造業に入って間もない方、まだ知識をお持ちでない方にもわかりやすいご説明をさせて頂こうと思っております。お付き合いの程、宜しくお願い致します。

ドリルとは

ドリルとは、先端には切れ刃があり切りくずを排出する為の溝を胴体部に持ち、回転させながら材料に穴をあける工具です。

被削材の材質や穴あけ方法、穴あけ条件によって、多種多様な形状のドリルが開発、製造されています。

 

ドリルの種類

先ほども述べた通り多種多様なドリルがありますがその中でも、今現在主流で使用されているドリルの大まかな種類について説明します。

ソリッドドリル … 先端、胴体、シャンク(機械が把持する部分)のすべてが同じ材質でできているドリル。最もスタンダードで汎用的に使用されている。材質はハイス(HSS)または超硬合金が主流。極小径(1mm以下)から大径まで径のバリエーションも豊富である。

 

ヘッド交換式ドリル … ソリッドドリルの先端部を交換式にしたもの。ヘッド部が超硬合金、ホルダー部がハイスで構成されるものが多い。(先端の耐摩耗性と胴体の靭性の両方を確保できる)また、先端部のすくい角(溝ねじれ)を大きく、ホルダー部のねじれを小さくすることで、切れ刃のすくい角を確保しながら切りくずの排出をしやすくし、胴体の剛性を上げることができる。欠点は小径のヘッド交換式は技術的に難しく、中径~大径にサイズが限られる。

 

インサートドリル … 刃先にインサートチップを用いたドリル。長所はヘッド交換式と同じ。ヘッド交換式よりも摩耗による交換のコストが安価である。ただし短所としては、ヘッド交換式よりもさらに大きな径しか対応できない。

 

ろう付けドリル … 先端部と胴体をろう付けして接合したドリル。ヘッド交換式の長所のほか、特殊形状にも対応できる。(多段段付きなど)ただし、特注品となるので初期のコストが大きく、再研磨の回数も限られるのが短所。

 

ドリルの溝

ドリルには切刃をつくる為と、穴をあける時に出る切りくずを排出する為に胴体に溝がつけられています。溝の形状によって、大きくは以下のように分類されます。

右ねじれドリル … 最もオーソドックスなタイプ。工具を正回転させて穴をあける。

左ねじれドリル  … 左ねじれに溝が切ってあるドリル。工具を逆回転で使用する。

直刃ドリル … ねじれが無く、まっすぐな溝が切ってあるドリル。バニシングドリルなど、非鉄金属用途によく使用される。

 

平溝ドリル … 平たい溝を切り、中心部の心厚(ウェブ)を多く確保したドリル。ハイスのロングドリルに採用されることが多い。

 

ドリルのシャンク

ドリルを機械に把持するシャンク部の形状もいくつか種類があります。最近ではほぼ「ストレートシャンク」が採用されています。

ストレートシャンク … シャンク部が円筒状になっているドリル。先端切刃部とシャンク部が同じ径の場合が多い。現在の主流で、主にスプリングコレットを使用して把持し穴あけを行う。

MTシャンク(モールステーパー) … シャンクの形状がモールステーパーになっている。MTホルダーに差し込んで使用する。

 

ステップドリル(段付き)

ドリルには1度の加工で2つ以上の工程を行う為に、径違いの段付き刃を採用することもある。主な用途としては、貫通穴のバリ軽減、径違い穴、ザグリ同時加工、面取り同時処理などである。

単溝ステップドリル … 先端部と段付き刃部の両方を一つの溝ですくい刃をつける。初期コストがあまりかからず、簡単にステップドリルが制作できるが、ステップ部切り刃のネックの逃がしが溝に食い込むので、そこに負荷がかかって折れやすい。

副溝ステップドリル(サブランドドリル) … 段付き部のすくい刃用に溝を追加したドリル。初期コストが大きいが、単溝ステップドリルのように逃がしが溝に食い込まなくなる(切れ刃の位相がずれる)のでネック部が強い。

 

ドリルの形状は多数あり、全てが上記の分類に当てはまることはないですが、大まかに分類すると以上のようになります。

 

次回は、ドリルを構成する要素についてご説明します。

<次> ドリルについて(2)ドリルを構成する要素について