GriStar Series グライスター シリーズ プロのための自動工具研削盤

自動工具研削盤GriStarシリーズで「エンドミル」を再研磨する2(3~6枚刃エンドミル)

公開日:2020/12/27  更新日:2021/01/09

「自動研削盤GriStarシリーズで「エンドミル」を再研磨する」第二回目の今回は、3枚刃エンドミルから6枚刃エンドミルまでの解説をします。3枚刃~6枚刃までは共通事項が多いのでまとめてご説明します。

 

底刃形状について

エンドミル3枚刃~6枚刃の底刃は、工具材質や使用用途によってタイプが異なりますが、基本的には逃げ面とギャッシュの位置や深さの組み合わせです。2枚刃エンドミルのような大きなギャッシュではなく鋭角砥石でのギャッシュが特徴です。

親子刃 … 中心まで若しくはそれ以上に伸びる親刃とそれ以外の短い刃で構成されます。中心付近まで切れ刃があり、中心部付近の切りくず排出もできるので、Z方向の加工がある場合や、切込み幅が大きめの場合に選択されます。

等分割刃 … すべての刃が均等な長さで、切れ刃は最大で中心までです。精密加工、軽切削に向いています。Z方向の加工は不得意です。(GriStarシリーズでは4枚刃エンドミルは親子刃のみで、等分割刃はありません)

 

ピンカド … 外周付近ですくい溝を生かして鋭角な切れ刃を形成しています。靭性のあるHSSエンドミルでよく採用されています。

アタリ付 … 外周側のすくい溝による切れ刃までギャッシュを当てて切れ刃を鈍角にします。靭性のない超硬エンドミルでよく採用されています。

 

センターカット … 親子刃6枚刃エンドミルにおいて、中心部付近の切りくず排出性を向上させるため、中心付近に切れ目を入れます。

 

チャンファー・コーナーR … 切れ刃外側にC面またはR面逃げ刃を付けます。チッピング(欠け)防止やC面加工に使用されます。(5枚刃、6枚刃は平面チャンファーのみ)

 

 

実際に設定してみる

編集画面上部にある、「底刃」タブをクリックして底刃形状を選択してください。選択し終わったら逃げ角やギャッシュのパラメータを設定します。

 

以下に代表的な形状とそのパラメータ(参考値)を掲載します。

パラメータ名パラメータ値
 すかし角 HSS:2°
 超硬:0°
 すくい角 HSS:2°
 超硬:0°
 アタリ角 ピンカド:0°
 アタリ付:1~5°程度
 ギャッシュ幅補正 親子刃:少しマイナス方向にして中心が切れないように
 均等刃:中心にギャッシュが集まるように調整
 その他 初期値を基本に、必要に応じて調整

 

 以上でエンドミル3枚刃~6枚刃の再研磨の説明は終了です。調整できるパラメータはほかにもたくさんありますが、今回は基本ということでシンプルにしました。また機会があれば詳細についてもご説明します。

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